スーツとの接し方⑨

Ciao a tutti!

先日、あるお客様とのやりとり。

お客様:パンツを作ろうと思っています。私は個人的にROTAのモデルが気に入っているのですが・・

私  :当店はフランコミヌッチの私物モデルを国内のMTMにて再現しています。

    ある程度ならお客様のお気に入りのモデルに寄せることができますが・・

お客様:あくまでSTILE Fのハウスモデルを重視してください。

なんとありがたいお言葉でしょう。イタリアのサルトに行くとハウスモデルという文化が強く残っている気がします。どんなモデルでもできますよ、的な発言はなく、あくまで自社のモデルにプライドを持った接客をしています。ミヌッチ氏がディレクションしていた頃のTIE YOUR TIEは、キートンやアットリーニの既製品を扱っていましたがミヌッチ氏の意見が大きく取り入れられたモデルであったし、オーダーもサルトリアフィオレンティーノにとことんこだわっていました。ミヌッチ氏自身も、自身の所有しているものは大半がサルトリアフィオレンティーノ。 オーナーのこだわり、そのこだわりを理解した紳士的な顧客。流行はなく、だからセールもなく、あくまで顧客の日常に沿った洋服、本当に永く飽きの来ない洋服を提案していく。上記のやりとりは、私のあるべき姿を再確認させてくれた素敵なやり取りでした。私もつい数か月前まで買う側の人間でした。何度も言っていますが当店の商品が決して安価なものではないと理解しています。ただ、ご提案させていただく商品はそれだけの対価があるものであると自負していますし、だからこそ実直に当店のハウススタイルを理解して頂けるよう努力していきます。  

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