Franco Minucci53

フランコとこなれ感

20年来フランコを見てきて彼が大切にしていた着こなしにおけるキーワードは「こなれ感」なのではないかと思います。彼の愛用サルトリア「Sartria Seminara」に何年もそのまま放置されたフランコのジャケットがありました。私どもの感覚では「完成したらすぐにでも着たい」と絶対に思うのでしょうが、フランコは「オーダーって、そんなものだよ」と言って暫く着ません。はっきりした理由はきけませんでしたが、つまり新しい洋服を着る時のワクワク感は、こなれ感とは真逆な位置にあるからだと私は解釈しました。また、自身できちんとアイロンがけした麻のジャケットを出かける前に〝着じわ〟をわざとつけているのです。誰よりも几帳面なのに、それを見せる事を良しとしない、必ず『抜け感』『こなれ感』を演出する、これこそがフランコ流の極みなんでしょうね。

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