スーツとの接し方⑥

Ciao a tutti!

お客様から「最近はどんなスーツが流行っているの?」という質問を受けることがあります。「ダブルです」「今は絶対スリーピースでしょう」「ベルトレスのパンツなんか斬新でいいと思います」とか答えれば販売する側も楽で良いです。しかし、師匠ミヌッチ氏のクローゼットには、ダブルは1着のみ、スリーピースなんかは1着もなかったです。すべて、シングル(3つボタン)・ノーベント・フラップなし・ベルトレスパンツ。もう何十年も変わらず。私も同じです、20年ベルトを締めたことがありません(笑)。本当のクラッシックとはそういうものなのです。アイテムではなくそれぞれの個性やライフスタイルにあったスタイルなのです。流行ると廃れます。時代に乗ると時代遅れになります。私どもの提供する商品は決して安いものではありません。だからこそ、流行ではなく、着る側がいつまでも着れるその方の個性を活かした高品質で着心地の良いものを提案していかなければならないと思っています。

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スーツとの接し方⑥” に対して5件のコメントがあります。

  1. pele より:

    こんにちは、いつもblogを楽しみに拝見しています。フランコミヌッチさんに影響を受けた一人です。いつかお目にかかりたいと切望していましたがついに叶いませんでした。
     フランコさんがスリーピースというかジャケット下にベストを着用しない理由や、ノーベント、また鞄を持った写真も見たことがないのですが、何か深い計算があるのでしょうか?

    1. STILE F 店主 より:

      pele 様ありがとうございます!pele様の着眼点からフランコ愛とても感じます。彼の美学は、『除く』ことにあったのかもしれません。だから、ジャケットの裏地は極力つけない、ノーベント、フラップなし、ベストは真冬の寒い時だけニットジレ、鞄どころか財布すら持っていませんよ。

  2. pele より:

    ご返信ありがとうございます!財布すら持たれないとは…、てっきり鞄については撮影の際だけ持たないのだと想像していましたので、改めて感銘を受けました。初めてフランコさんのお姿を写真で見た時に、何か言葉に表せない、深さというか美を感じたのを今でも覚えていて、今もそれが何によるものが、分からないままでしたが、頂いたコメントをみて何となく垣間見える様な気が致しました。

  3. STILE F 店主 より:

    私も20年程前にpele様と同じ思いを感じました。それから彼を追い続けてきましたが、彼の思考は何ら変わることはありませんでした。もう彼に教えを乞うことはできませんが、ご存命であったとしてもその思考は変わることはないと思います。この先もSTILE Fの名前に恥じぬよう彼の流儀を伝えていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。ちなみに彼の好きな革製品は、フィレンツェの『CELLERINI』でした。彼の最後の愛車ベンツGのキーホルダーを買わされた思い出があります(笑)

  4. pele より:

    今はもうないタイユアタイ大阪店に伺った際に、フランコさんの着こなしがいかに計算され尽くしているかを教授頂いた記憶があります。股上を深く、ジャケットボタン位置やゴージ位置を低くし、第二ボタンとパンツとの隙間を無くす事で、足長効果があり、またやや肩幅の広いジャケットも小顔効果?があるとの事でした。恐らくフランコさんは自らの体型を知り尽くされており、美しく見える最大値を図られているのだな、と感じ入った事を今も覚えております。小生のよもやま話にお付き合い頂き有難う御座います。

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