Franco minucci⑭

フランコとピッティ

「Pitti immagine Uomo」 フィレンツェで年2回開催されるメンズ世界最大のプレタポルテ見本市のことです。フランコはいつの頃からか『Pittiの羅針盤』と呼ばれるようになりました。なぜそうなったか?は知りませんが、彼の影響力を考慮すると当然なのかもしれません。私は、実際に彼がPitti会場に行ってどのような仕事をしていたかは実は知りません(この時期にフィレンツェに行ってもフランコは忙しく相手をしてもらえないので)。当然TIE YOUR TIE商材のオーダーをしていたのだとは思いますが。でも彼は晩年「最近のPittiには行きたくない」と漏らしてました。それはなぜか?いつの頃からか写真撮って欲しさに派手派手のスーツに身をまとったバイヤー達で溢れていて、リアルクロージングとはかけ離れたものとなっていたからです。分かりやすく言えば、成人式や結婚式用に奇抜なスーツを作って目立ちたい的な感じでしょうか。彼は、そういうのがとても嫌いな人間で、常にリアルクロージングを大切にしていました。だから、●●用スーツなんて作り方はしないです。作ってみたけど気に入らなかって全く着ないものはたくさんありましたが・・笑。毎日の生活を大切にする、「今日はAさんと会って夕食に行くからこのスーツ」「そろそろ暖かくなってきたからこのジャケット」それこそが真のリアルクロージングであり、そのスタイルを貫いたからこそ『Pittiの羅針盤』とまで呼ばれるようになったと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です